現場調査から学ぶリノベーション前に知っておきたいこと Vol:7
〜共有部の現調〜
今回の記事では共有部の現調を取り上げます。
共有部の現調ではサッシ、網戸、サッシ錠、サッシガラス、玄関扉、エレベーター、搬入経路を確認します。
共有部の現調
共有部の現場調査(以下現調)の現調項目と現調理由を以下の表にまとめています。
現調事項 | 現調理由 |
---|---|
サッシ周り | サッシの動き、ガラス、錠の破損状況、網戸の破れを確認します。交換が必要な場合は見積もりに算入します。 |
玄関扉 | 玄関扉は共有部になるため基本的には交換できません。しかし室内のドアチェックや仕上げは変更できます。状態や新しい空間の意匠に合わせて仕上げを変更するかどうかを検討します。 |
エレベーター | エレベーターの寸法を確認します。キッチン天板やユニットバス、造作家具など大きなものをエレベーターを使って搬入できるかどうかを確認します。 |
搬入経路、養生範囲 | 建築資材などの搬入経路を確認します。管理人さんや管理組合と協議して運搬車の一時停止可能場所や搬入経路の指定の有無を確認します。また、搬入の際の共用部廊下やエレベーターの養生範囲を確認します。 |
サッシ周り
築古の物件の場合はサッシガラスが割れていたり、動きが悪かったりします。また網戸の破れや劣化による交換の要不要を判断します。
サッシの錠も動きが悪かったり破損しているケースもあるので現状の確認と交換の要不要を確認します。
玄関扉
既存の玄関扉の状況を確認します。
ドアチェックに不備がないか、扉の仕上げはどうかを確認します。
ドアチェックは古いものになるとオイル漏れを起こしていたり動きが悪くなっていたりするので状況次第で交換のご提案をすることになります。
扉が「シート仕上げ」になっている場合、シート面に塗料はのりませんので新たにシート貼りすることになります。
鉄扉の場合は既存が塗装で仕上げられていることが多く、リノベーション時には再塗装をご提案しています。
エレベーター
資材搬入などに使用できるエレベーターの状況を確認します。
特にエレベーターの間口寸法と内寸を確認します。キッチンの天板やユニットバスの搬入、造作家具など大きなものをエレベーターで搬入できるかを確認しています。
エレベーターが狭い場合は階段での荷上げを検討したり、造作家具の場合はエレベーターに乗る寸法での組み立て式で製作します。
搬入経路、養生範囲
居住者とのトラブル防止や共用部の傷付け防止のために搬入経路と養生範囲を確認します。
エレベーターや共有廊下を養生することになります。こちらが共用部を養生している写真です。
物件によっては廊下養生の「毎日撤去」を指示されるところもあります。このケースでは経費に関わってきますので事前に確認しています。
駐車スペースに関してですが物件によっては搬入車の一時停止場所が定めてあったり、搬入経路が指定されている場合がありますので管理室や管理組合を通じて確認することになります。