リノベコラム

  • HOME
  • リノベーション(リノベ)のノウハウVol:6 既存仕上げの現調
福岡リノベーション現調

現場調査から学ぶリノベーション前に知っておきたいこと Vol:6

既存仕上げの現調

今回の記事では既存仕上げの現調を取り上げます。

図の様に既存の床、壁、天井の仕上げ状況と下地状況を確認します。様々なパターンがあります。

福岡 リノベーション 仕上げ

既存仕上げの現調

既存仕上げの現場調査(以下現調)の現調項目と現調理由を以下の表にまとめています。

現調事項現調理由
既存躯体壁仕上げ既存躯体面の壁仕上げの状況を確認します。躯体+クロス直貼りの現状の場合はコンセントやスイッチの施工などのためにふかし壁(壁裏にスペースをつくる)工事の要不要の判断材料になります。
既存床仕上げ既存床仕上げの状況を確認します。排水経路の確保や新規電線配線の経路の確保、管理規約による遮音規制の遵守のため状況を確認します。
既存天井仕上げ既存天井仕上げの状況を確認します。照明器具や換気扇、電気配線のために天井ふかし工事の要不要の判断材料になります。
断熱状況既存の断熱材の施工状況を確認します。リノベーション後の住空間で高断熱性能を求められる方や、断熱材が入っていない場合は断熱の施行をご提案します。

既存床仕上げ

先にもお示しした図をもう一度見てみてください。

福岡 リノベーション 仕上げ

例えば壁仕上げが「躯体+クロス直貼り」で仕上げてあるとこの面にコンセントを設置するには「露出配線」でもってくる方法をとるしかありません。

下の写真が「露出コンセントボックス」の例になります。天井から鉄管内に電気配線を通してコンセントボックスを設けた例になります。

既存床仕上げ

既存床仕上げが「構成束+パーチ+フローリング」の場合、すでにマンション管理規約の遮音規制をクリアしている場合があります。給排水管の状況次第では既存床を解体せずに新しい仕上げ材を上貼り施工する方法もあります。

躯体直貼りや木下地組みの床の場合、床の遮音規制が担保できないので管理規約を遵守したり下階の居住者との騒音トラブルを避けるために新たに床下地から組み直す必要が出てきます。

  • 遮音規制

    マンションの管理規約にリフォーム時の床の遮音等級が定められている場合があります。L45やL40など物件によって遵守する値は変わってくるので規約内容を事前に確認して計画を進めていきます。

既存天井上げ

天井の既存仕上げが「躯体+クロス直貼り」の場合は天井裏のスペースが全くないため、新しく埋め込みダウンライトを設置したり換気扇の設置や連動式の防災設備を設置する際には新しく天井を組む必要が出てきます。

  • 電気設備の現調

    間取り変更に伴い照明計画も考える必要があります。埋め込みダウンライトなどを設置するためには天井の懐のスペースが必要になってきます。

既存断熱状況

物件によっては全く断熱材が施工されていないものもあります。

こちらの物件では壁面には断熱材が全く入っていませんでした。最上階のため天井面には断熱材が施工されています。

福岡リノベーション断熱

外周面にも断熱材がはいっていなかったのでリノベーションの際には断熱材を新たに施工する計画としました。

福岡リノベーション断熱
福岡リノベーション断熱

断熱材を外周面に施工しています。これで以前よりかなり快適な内部環境になりました。

こちらの物件ではさらに断熱性能を上げるためにリクシルの「インプラス」二重サッシ(ペアガラス)を採用しています。

福岡リノベーション断熱

(引用元:https://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/)

また、物件によってはユニットバス周辺にも断熱材が施工されていることもあります。こちらは天井面に吹付の断熱材、壁にはグラスウールが施工されています。

福岡リノベーション断熱

浴室の断熱をご要望の方にはユニットバス周りの断熱施工もおすすめです。

既存仕上げの現調 まとめ

既存の仕上げや下地状況を現調することで間取り変更にともなって使い勝手の良いスイッチやコンセント、照明器具の設置のための情報を知ることができます。管理規約が求める遮音規制への対応などもこの既存仕上げの現調により確認することができます。
また断熱状況も快適な空間づくりにとって非常に重要な要素になります。築古の物件でも断熱材や2重サッシを施工することで快適な空間づくりが可能になります。